バングラデシュの少数民族:「ラカイン族」

ラカイン族の女性

イスラム国に取り残された、貧しくも誇り高き仏教徒たち

 ラカイン(Rakhine)族は、ミャンマー北西部アラカン州からバングラデシュ南東部
の地域に暮らし、紀元前から当地に王国を築いてきた古い歴史を持つ民族です。
 ラカイン族は、釈迦族に繋がる民族とされ、
イスラム教徒(89.7%)、ヒンドゥー教徒(9.2%)がほとんどのバングラデシュにおいて、
私たち日本人にも馴染みの深い仏教を信仰している人たちです。
 バングラデシュのラカイン族は、今、イスラムの国の中で生きる基盤を失いつつあり、
私たちに支援を求めています。

ラカイン族の歴史

 ラカイン族の伝承によると、釈迦族の王子 アージュナ(Arjuna)と
サック(Sak)族の王女 インドラ マユ(Indra Mayu) [大鹿(sambur)の国の王女(牡鹿)
という人もいます] の間に生まれた息子 マラユ(Marayu) [BC.3325~] が、
ダニャワディ(Dhanyawaddy)周辺の諸蛮を征服して、
この地にラカイン族の国を創りました。[1][3]

ラカイン族の王国
(文献[2]より引用)

 ラカインの最初の王国は、現在のミャンマーのサンドウェーにあったと言います。[3]

 ダニャワディ時代 [ 第一期: Marayu王朝 BC.3325-BC.1483、第二期: Kanrazagree王朝 BC.1483-BC.580、第三期: Chandra Surya王朝 BC.580-AD.326 ]
の後も、ラカイン族の王朝は、仏教の国として栄え [ Vesali 時代:AD.327-1018 ~
Laemro 時代:AD.1018-1406 ~ Mrauk-U 時代:AD.1430-1784 ]
1784年にビルマ王朝のボードーバヤー王に征服されるまで、続いたと言われます。[1][2]

Mahamuni パゴダ仏像
(仏陀卿の訪問の記憶として残されたMahamuniパゴダ像)

 ラカインの地に仏教を伝えたのは、仏陀卿 自身でした。
ラカイン族の伝承によると、第三期ダニャワディ時代のBC.554年に、
仏陀卿が500人の弟子を連れて、ダニャワディの町を訪れました。
 仏陀 の教えにより、Chandra Surya王を初めとするラカインの人々は
仏教を奉ずるようになったと言われています。[2]

ラカイン族の今

 ミャンマー北西部からバングラデシュ南東部の地域で、
古来より暮らしてきたラカイン族の人たちは、ビルマ(現ミャンマー)と
東パキスタン(現バングラデシュ)が独立したとき、住んでいた地域によって、
国籍を分けられ、国を持たない民族となりました。

コックスバザールの仏教遺跡
(落書きに汚された仏教遺跡[コックスバザール])

ラカイン族の子どもたち
(ラカイン族の子どもたち)

 現在、バングラデシュには約17,000人のラカイン族の人々が暮らしていますが、
人口の0.012%に過ぎず、宗教も異なる少数民族である彼らには、国の支援も届きません。

 彼らの多くは、家族農業により生計を立てています。
農業の収穫は、雨期の洪水や毎年起こるサイクロンの影響を受けやすく、
苦しい生活を余儀なくされています。心のよりどころであるはずの、仏教遺跡も荒廃し、
将来の夢を描けない若者は、やむなく、愛する村を離れ、共同体は存続の危機に
立たされています。

パネールチョラ村の様子 
(ラカイン族の村:パネールチョラ村)

ラカイン族の村への支援

 遠い日本で学ぶラカイン族の青年 トエエ モン(Thoai Mong)さんは、
「生まれた村の窮状を何とかしたい !」と、日本で活動をしています。
 純粋な青年の強い想いに、私たちはこの夢を支援する決定をしました。
 ※詳しくは、こちらをご覧ください。↓
 ・バングラデシュ少数民族「ラカイン族」の村に井戸を贈ろう
 
 
【参考文献】
文献[1]: 地球旅行研究所 歴史辞典データベース “アラカン朝”の項目より (http://www.tabiken.com/)
文献[2]: About Arakan Kingdom (http://www.scribd.com/doc/24725661/About-Arakan-Kingdom)
文献[3]: On the Evolution of Rohingya Problems in Rakhine State of Burma (http://www.scribd.com/doc/19967984/On-the-Evoulution-of-Rohingya-Problem)


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