チャリティコンサート

もっと**2 教えて! 瀬田敦子さんとチャリティーコンサート

もっと 2 教えて !! 

   瀬田敦子さんとチャリティーコンサート

 2015年4月に、JAFSチャリティコンサート(公益社団法人アジア協会アジア友の会)15周年企画として、瀬田敦子さんと共にタイから4名の学生(Cheewaporn Apirakpanakhet、Warin Hattori、Esther Cha、Nutthivudh Nopkaew)を招き、国内4箇所でのチャリティコンサートを行います。
 瀬田敦子さんのことを、沢山の人にもっと知っていただきたく、この記事では、JAFSのメールマガジンから抜粋して、瀬田敦子さんの紹介とチャリティコンサートの誕生秘話などを、お伝えします。

   奨学支援の子どもたち1 奨学支援の子どもたち2 奨学支援の子どもたち3 奨学支援の子どもたち4
    (コンサートで奨学金を支援している子どもたち)

瀬田敦子さんの紹介

瀬田敦子さんポートレイト

 大阪府池田市出身、チェンマイ在住の日本人ピアニスト。
 大阪教育大学特設音楽課程ピアノ科卒業。1992年に日本クラシック音楽コンクール全国大会で第3位入賞、1993年に全日本ソリストコンテスト・ベストソリスト賞受賞。1996年、マスタープレイヤーズ国際音楽コンクール(イタリア)で、マスタープレイヤーズ大賞を受賞し、指揮者リチャード・シューマッハーにみとめられ、同年にヨーロッパデビューを果たす。
 2003年には音楽クリティッククラブ奨励賞を受賞。
 レパートリーは幅広く、とりわけ、アルゼンチンの作曲家ヒナステラの作品演奏は特筆すべきで、2004年にイタリア IBLA GRAND PRIZE でヒナステラ特別賞を受賞。2005年には、ニューヨークのカーネギーホールでのヒナステラソナタ第1番の演奏が高く評価され、ますます活躍の場を広げています。

ピアニストとしての自覚(瀬田さんのエッセーから)

瀬田敦子さんエッセー

 『阪神大震災(1995年1月)で同じピアニストの友人を亡くして、大きなショックを受け、しばらくピアノにむかえない時期がありました。彼女がどんなにいろんな曲を弾きたいと思っていたかを知っていたから、なぜ私だけが生きていてピアノを弾いているのかという運命的な疑問におしつぶされそうになったのです。私はその時はじめて「命」という事について深く考え、生きていてピアノが弾けるという幸せ・・・・(それにともなうつらい練習や様々なトラブルなど小さな小さな事なんだという実感を伴って)・・・・をかみしめました。
 不思議なことにその頃から私の耳にピアノの音が違って聴こえてくるようになりました。悲しい音、喜びに満ちた音、寂しい音、心の声がピアノの音になって私の胸を打つのです。そんな時、私の恩師であるデルガード先生が、いつも私に教えて下さった事、・・・・「ATSUKO !! どの音も心を込めて胸が痛くなるような音を出せ」・・・・を自らの演奏を通して示してくれたのです。その夜のピアノの音はきっと一生忘れる事ができないと思います。私は聴きながら涙が止まりませんでした。
 そしてしばらく食事ものどを通らないくらいその音にあこがれ、私もあのような音を出したいと日夜苦しむ日が続いたのです。すばらしい芸術は人生をさえも変えると言いますが、はじめて身を持って体感しました。
 きっかけとは不思議なもので、私の中で心のひだが急に増したように感じ、表現したい意欲が吹き出してくるのは爆発的でした。イタリアでの国際コンクールで優勝したのはその1年半後(1996年8月)、私が41才の時でした。みんな年を聞いてびっくりするのですが、私が本当にピアニストとしての自覚を持ったのは40才をとうに過ぎてからなのです。』

アジア協会との出会い

     
 そんな瀬田さんとアジア協会の出会いは、瀬田さんの思いがきっかけでした。クラシック音楽の「歴史」が浅い日本で、ヨーロッパの様に生活の中で気楽にクラシックを楽しんでもらうためには、どうしたらいいのかしら?・・という瀬田さん。

JAFSロゴ(エンボス)

 当時高校生だった娘さん、いわく。
 「そもそも日本では普通の人はクラシックコンサートなんか行かないと思うよ。まず何着て行ったらいいかわからないでしょ。それにチケット代が高いし、どこで券を買ったらいいかわからないし、ホールは遠いし、プログラムは知らない曲が多いし、1曲が長いし、だから眠くなるし、でもかっこ悪いから起きてなきゃいけないし・・などなど」
 私「なるほど~・・・」
 「地元のホールで親しみやすい雰囲気で、安く開催すればいいんじゃない?」
 そこで瀬田さんは、1000円コンサートを計画し、自宅のFAXでチケット申し込みを受け、後払いでチケットを郵送するという方法を思いつきました。本当にグッドアイデアでしたが、実際、本番までの雑務の苦労はそれはそれは大変だったそうです。
 そして迎えたコンサート当日(2000年11月)、予想を超える反響に驚かれたそうです。川西市みつなかホール500席のほとんどが、自らチケットを買ってコンサートを楽しみに来て下さった方達でいっぱいになったのです。そのときに、瀬田さんは「もう迷わない!」と天職に感謝しました。
 この1000円コンサートがその後、瀬田さんの I want to do !!(やりたい)を受けとめた(社)アジア協会アジア友の会(JAFS)が主催するチャリティコンサートになりました。瀬田さんの大変だったマネージメント業務をJAFSが担当し、コンサートの収益金でアジアに井戸を贈るという形が出来上がりました。
 瀬田さんは、「NGOで働く素晴らしい方達との出会いは私にとって大きな財産」と言ってくださいます。私たちNGOにとっても、このような方との出会いが大きなつながりをつくってくれます。

(アジア協会アジア友の会メールマガジン 第126号 より)


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