JAFS関東が支援しているモンゴル・ウランバートル市の保育園について、現地で取り組むAFSモンゴルのエンフトヤーさんから報告が届きました。その内容がJAFSの機関紙「アジアネット127号」に掲載されています。本記事ではその内容を紹介します。
市郊外の人口密集地ゲル地区に住む低所得層の子どもたちのため、保育園設立に必要な教材・備品・部屋改築などをJAFSが支援しています。
首都の人口密集地に保育園
モンゴルは1990年から、市場経済化へ向けて構造改革を行ってきました。2013年には経済成長率が 11.7%に達し、経済が好調な都市部に人口が集中するようになり、現在、首都ウランバートル市では全人口の約50%(約137万人)が生活を送っています。しかし、モンゴルでは全人口の約40%が一日2ドル以下の生活を強いられており、これら経済成長の恩恵を受けない人々の多くは、ウランバートル市の中心から数キロ離れた未開発の場所に居住地を構えるようになってきました。これらの居住区はゲル地区と呼ばれ、人口はウランバートル市全体の50%を占め、なお増加傾向にあります。
ゲル地区は無計画に作られており、生活に必要な水、衛生設備、教育施設などが整備されていません。ウランバートルの中心地に都市開発が集中し、急激に増加した低所得層の人々への対応は大幅に遅れています。
支援地のエミーン・ウルグマル・ゲル地区には、約75世帯(約300人)の人々が住んでいます。この地域には2キロ先の井戸にしか飲料水がありません。また、半径4キロ内には小学校・保育園などの教育施設が一切なく、遠くの学校に行かざるを得ません。
ゲル地区に移住してきたほとんどの人は低所得層であり、従来は遊牧民として生活してきた人ばかりです。彼らには専門技術がなく、単純労働しか見つけることができません。複数の仕事を兼業し、共働きしながらより多くの仕事を得て生活費を稼ぐ必要がありますが、子どもの保育園がないために仕事をあきらめざるを得ないなど、生活に困っています。
このように現在、ウランバートル市では800もの保育園が必要とされていますが、政府の投資は経済中心で、教育には投資されていないのが現状です。この現状下でエミーン・ウルグマル・ゲル地区の人々の生活を、保育園設置により改善することが、このプロジェクトの目的です。
現在までにJAFSからの支援のおかげで、古い建物を改築し保育園舎が完成しました。教材・遊具・家具など必要な物も大部分購入できました。保育士などスタッフ3名も確保でき、9名の子どもを受け入れて保育園をプレオープンしました。4名は親に捨てられた貧困家庭の子どもで、人件費が払えない経営状況ですが、現在の運営経験を基に、来年は国から運営費をもらえるよう許可申請する予定です。
保育園があれば生活改善にとどまらず、子どもたちが保育園で教育を受けることで小学校へ入学する準備ができると期待されます。毎日かわいい子たちの泣き声を聞き寝顔を見て幸せを感じながら、一所懸命続けていれば保育園運営が軌道に乗ると信じて頑張っています。
(AFSモンゴル エンフトヤー・レンチンドルジ)
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