JAFS関東の活動から

「失われた”宝物”と、直視すべき”現実”。インドネシアで僕たちが見た光景」 ~ゴミ山と隣り合わせの日常。あどけない笑顔の子どもたちから学んだこと~

この子たちの手のぬくもりが、教えてくれた

アンクルンの演奏で校歌を聞かせてくれたHIKARIスクールの子どもたち

インドネシアの子どもたちの瞳は、どうしてこんなに透き通っているんだろう?
挨拶のとき、はにかみながら僕の手を取り、そっと自分の額に当てる。その温かさに触れたとき、日本がどこかに置き忘れてしまった「心の豊かさ」に、真っ正面から出会った気がした。

JAFS関東活動委員会では、11/25-30の期間、有志メンバでインドネシア・ジャワ島を訪ね、日本のNGO(インドネシア教育振興会)の協力で設立されたHIKARIスクール(小学校、幼稚園、特殊学級、託児所が併設。南タンゲラン市)と、近傍の公立小学校を訪問しました。今後開催するスタディツアーの予備調査です。

HIKARIスクールでは、日本の風習を伝える折り紙教室を開催。子どもたちと遊んだり、課外授業のピアノ教室・水泳教室・テコンドーなどの見学、週末の屋外活動(ゴミ拾い、体操、校歌斉唱)、先生方や先生方の父兄さんとのお料理会・懇談会を楽しみました。

隣接した地域にある、低所得層の人たちが主に暮らすエリアも訪ね、当該地区の公立小学校も訪問しました。

折り紙教室は子どもたちに大人気でした
一緒に校庭のごみ拾いも行いました
楽しそうな「アリとキリギリス」の授業
笑顔で迎えてくれた公立小学校の子どもたち

HIKARIスクールでも公立小学校でも、子どもたちは元気に校庭を駆け回り、目をキラキラさせて、私たちに手を振ってくる。それを見つめる先生たちも、とても優和で優しそうでした。日本で感じていた閉ざされた塀の中の学校のようなイメージはそこにはありません。

HIKARIスクールの教育は、道徳心と自分たちで考え解決させることを、大切にしているそうです。低所得層の人たちの居住区と聞いていたエリアも、家や庭は存外にキレイで悲惨さはなく、学校も緑に囲まれ、子どもたちも明るく楽しそうでした。

イスラムの宗教の教えによるところも大きいかもしれないけど、ここには日本が失いつつあるものが大切にされ、残っているような気がします。

積み上がった絶望と、そこにある生活

学校訪問の後、私たちは、ジャカルタの西側に隣接した南タンゲラン市のごみ集積場の様子を見学しました。

民家に迫る巨大なゴミ山
ゴミ山を固めるクレーンが轟音を立てていた

緑溢れる楽園のような学校から一転、目の前に現れたのは、巨大なゴミ山。ガツンと頭を殴られたような強烈な悪臭。民家の数十メートル先まで迫るゴミの巨大な壁。テレビの画面越しでは決して伝わらない「重圧」に押しつぶされそうな気持になりました。でも、そのすぐ傍で井戸水を汲んで豆腐を作り、生計を立てている家族がいる。保育園もゴミ山のすぐ近くにあり、子どもたちを迎えに来るお母さん。そこから逃れられない現実。

「豊かさってなんだろう?」 このコントラストは、世界のひずみ、私たちの生き方を問いかけてくるようでした。ジャカルタの中心街は高層ビルが立ち並び、日本以上に発展しているように見えるのに…。

この経済発展の影にある歪みをどう解決していくのか。それは、同じ地球に生きる私たちにとっても、避けては通れない問いだと感じました。

ここで学んだことを、未来に活かす

楽しそうに遊ぶHIKARIスクールの子どもたち

ここで感じた温もり、この匂い、この笑顔。画面越しではなく、あなた自身の五感で受け止めてほしい。そう願わずにはいられない旅でした。

私たちは、今回のインドネシア訪問の経験を踏まえて、もっと多くの人たちに世界の現実と日本が学ぶべきこと・自分たちが支援できることのヒントになるようなスタディツアーを企画していこうと考えています。

公益社団法人アジア協会アジア友の会では、現在、次のスタディツアーもご案内しています。興味がありましたら、ぜひご連絡ください。

インドネシアの教育と環境を実感するスタディツアー/2026年2月12日(木)~19日(木)

◆経済発展途上の実情を、教育と環境の観点から見て学び考えます
◆国の今後の成長を支えるインドネシア大学生や子どもたちと交流します
◆ジャワ島とバリ島で、街も自然豊かな村も海も山も訪れます
◆環境改善のための現地の活動に参加します
 ⇒詳しくはこちら https://jafs.or.jp/news/eventinfo/20251024.html


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