2010年9月18日-20日、長野県小谷村立屋の共働学舎にて開催した、
小谷村ワークキャンブ。
参加者の皆さんが、感想・手記を送ってくださいました!
今回は、ワークキャンプに初めて参加くださった、
塾講師の大学生、小暮さん(女性)と徳良さん(男性)からの手記を紹介します。
純粋な感性が伝わってくる、すてきなエッセイです。
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□■自分を見つめ直した濃密な3日間 (小暮さん)
今回参加させていただいた小谷村ワークキャンプでは、初めてで貴重な経験をたくさんすることができました。
まず広大な自然での農作業です。みんなで役割分担をして仕事をしました。
次に塩の道を歩くウォーカソンです。みんなで一つとなって歩ききり、最後には認定証もいただきました。
そしてなにより、共働学舎やアジア協会などの方々との出会いです。競争社会から離れたところで暮らす学舎の方と接したり、世界各国でボランティア活動をする協会の方のお話を聞いたりしたことが、今の自分を見つめ直すきっかけとなったと思います。
他にもみんなで食事を作ったり、藍染めをしたりと、楽しい経験ばかりでした。
短いけれど濃密なこの3日間の経験を、これからに生かしていきたいと思います。 ありがとうございました。
□■「何もない」村の豊かさ (徳良さん)
新宿から数時間車に揺られ目的地に到着すると、そこにはまさに文字通りの限界集落が広がっていた。
目の前に北アルプスが高く聳え、段々畑が広がり、民家が疎らに建っている。物質主義にとらわれた都会の若者たちには「何もない」と感じられる場所であろう。前もってどのようなところか聞かされていた僕にとっても、想像以上の「何もなさ」であった。
そんな小谷村での2泊3日は、NPO法人である共働学舎の方々に大変お世話になった。そこでは、毎朝の話し合いによってその日のそれぞれの仕事が決まるという面白いシステムが採用されている。
その制度に従って僕たちも仕事を割り振ってもらい働いた。その仕事が非常にハードで、男たちの任されたサイレージ作りは腰痛との、女性陣のほうのとうもろこしの皮むきは虫との闘いであった。そのせいであろうか、仕事を終えた後の充足感が非常に大きく、汗をかいた体で感じる山間の澄んだ空気は大変気持ちがよかった。皆の顔にも達成感がにじみ出ていた。
皆で夕飯を食べる頃には、外部からやってきた僕らと共働学舎の人たちとの間にちょっとした仲間意識が生まれていた。しかし、やはり共働学舎の人々どうしの一体感はよりいっそう強く感じられた。それはこの「何もない」場所が生み出す独特な時の流れの中で長年共に汗を流して働いてきたことによって培われたものなのであろう。皆に役割があり、それぞれがアイデンティティーを感じることができているようだった。
仕事後に充足感と清々しさを感じることや、共働学舎の人々のように、ある集団において皆がアイデンティティーを持つというのは、「何でもある」都会の生活ではなかなかないことである。僕が小谷村訪問で最も強く感じたこと、それは、物質的には非常に豊かな都会では軽視されてしまいがちな、精神面での豊かさがそこにはあるということである。
「何もない」村が実は非常に豊かな場所であったのだ。開発や観光などとは違った限界集落の新しい可能性を見た気がした。
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