JAFSが宮城県南三陸町で行ってきた支援活動に、二度にわたって参加された
菊池美智子さんが、現地で感じた想いを手記にして送ってくださいました。
「とにかく自分のできることを」と、迷いつつも、懸命に頑張ってきた様子を
綴ってくださっています。
以下に紹介させていただきます。
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被災地支援活動に参加して
炊き出しをお手伝いしながら子どもたちに紙芝居や歌などささやかなプログラムを
実施しました。
紙芝居をするにあたって気をつけたことがありました。
毎日が日曜日になっている子どもたち。被災している状況であっても、子どもたちには
何かルールがあって引き締まる時間が必要なのでは、という考えから、紙芝居の始まりと
終わりには、挨拶をしてちゃんと聞こうという簡単なものです。
あいさつしてくれるかな、と尋ねると、子どもたちの雰囲気は、さっと学校の教室にいる
みたいに気持ちのよい緊張感に変わり、一番お兄さんの子があいさつしてくれました。
初日はお互い自己紹介をして私たちボランティアのことも少し知ってもらえるようにしました。
面白いと思ったのは、子どもたちが歌よりもゲームよりも何よりも、紙芝居を好きだ
ったことでした。2本続けては飽きるかな、と思いゲームを入れると、「もう紙芝居はや
らないの?」と聞かれたり、普段はカメラを向けると逃げたりするのに、紙芝居の最中は
全く紙芝居に集中していてカメラに関心を示さなかったり、決してプロではない私たち
のつたない紙芝居をそれは真剣に聞いてくれました。
失ったものは失った者にしかわからない、、、。
ここにいる間、何度も思いました。自分の生まれ育った家を一瞬のうちになくしてしまう、
そのような体験をしたことのない私が何をわかるといえるのだろう?
人間には動物と違って想像するという機能がありますが、それはいったい何の役に立つの
だろう?
テレビやラジオでわかったような気持ちになって、ここにきて愕然としたというのに。
ここの方たちのために、私にできることは、とにかく必要なものをできる限り提供し続
けること、私が見たもの、出会った方々のことを伝えていくこと、この災害を忘れずに
いること、そういうことかもしれません。』
(菊池 美智子)
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