「森は海の恋人」
~人の心に木を植える~ <聴講レポート>
管理人は、12月3日に日本基督教団信濃町教会で、
畠山重篤さん(「牡蠣の森を慕う会」代表、京都大学フィールド科学教育研究センター
社会連携学教授) をお招きして開催された、
講演 「森は海の恋人 ~人の心に木を植える~」を聴講してきました。
大変興味深い講演でしたので、この記事では、その様子を報告させていただきます。
畠山さんは、「森は海の恋人」という理念に基づき、東北沿岸の地で
20年以上にわたり、漁民が森に木を植える運動を、続けてこられた方です。
講演では、森が作り出す鉄分が、如何に海の豊富な生命を支えているか
ということを、漁師としてのご体験と最新の科学的知見に基づき解説。
広葉樹林が腐葉土となり、植物プランクトンに取り込める形で、鉄分が海に供給される。
この仕組みこそが、食物連鎖を通して、日本近海の豊富な生態系を支えているということ。
森と海の繋がりと、日本の森を守ることの重要性を説く、大変貴重なお話でした。
飾らない語り口と、思わず引き込まれるユーモアたっぷりの講演。
東北の漁業の復興のためにも、森を守ろうとの呼びかけが、心に残りました。
牡蠣漁などの体験学習を通じ、森を流れる川の水と海で大きく育つ牡蠣の関係を知った
子どもたちが、海を守るために身近な生活から変えようと行動するさまに、
実践的な活動を通じた啓蒙の大切さも知りました。
講演の終わりに、郷里の漁場の状況を尋ねる質問者への返答の中で、
畠山さんは、次のように話されています。
「故郷の気仙沼・舞根浜を始め東北の海の生態系は、既に完全に回復しており、
牡蠣などの生育状況も例年以上。 漁のできる環境さえ整えば、
大きな復興の支えとなるはず。
森を守るための間伐で生産した木材で、被災家屋の再建を進め、東北の復興に繋げたい。」
「私たちの祖先が守ってきた森と海を未来に残すために、
海を知り抜いてきた先生の呼びかけを、私たちは生かしていく必要がある」と、
参加者の心に強く刻まれた講演でした。
<お知らせ>
畠山さんの「森は海の恋人」の活動が、
12月12日(月)の、NHKの「プロフェッショナル」という番組(22:00~)で
取り上げられるそうです。
皆さまも、是非ご覧になられては、いかがでしょうか。
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