私たちの取組み

インド最貧層の子どもたちを支える農村学校「コスモニケタン日印友好学園」 教師来日講演会


コスモニケタン学園 教師来日講演会

 JAFS40周年記念事業の一環として、インド・カルナータカ州ビジャヤプーラの日印友好学園コスモニケタンから、1996年の創立時から勤めて下さっている先生たち3名と、学校を支えているBSVIAスタッフ2名(東京のみ1名)をお招きし、学園の現状などについて伺う講演会・懇親会を、「JAFS関東会員ひろば」で2019年5月24日開催しました。コスモニケタン学園は、どんなに貧しくても学びたいという意欲のある、インドの貧困層の子どもたちの教育と成長を目的に、建設・設立した学校で、1996年来からJAFSがその学校建設・運営を支えてきたものです。

(写真 上段:左からBSVIA ナンディーニさん、コスモニケタン小学校の生徒たち、BSVIA パペッシュさん、
下段:コスモニケタン学園教師、左から:パッタナシェティ先生、アワティ先生、ヤンカンチ先生)

 講演会では、先生がたとBSVIA ナンディーニさんが、自分たちの教育への想いや、生徒たちと学校に注ぐ愛情、学校での子供たちの様子について、それぞれの経験の中から語ってくださいました。どの先生も、この学園をとても誇りに思い、ひとつひとつ試行錯誤しながらやり方を工夫し、子どもたちと向き合っている様子が、とても印象的でした。何人もの卒業生が、地域や社会に貢献する人材として育ち、学校運営を支えてくれているメンバもいるそうです。

 講演会の聴講には、過去にワークキャンプでインドを訪れたJAFS会員メンバも来てくれて、旧交を温め合うことができました。
 20年以上のコスモニケタン学園の歴史の中で、講師の方を日本にお招きできたのは初めてのこと。今回の日本での経験と交流は、今後の学校運営や日印両国での子どもたちの教育に、更に活かされていくに違いありません。

JAFSスタッフの通訳で、3人の先生が講演

BSVIAナンディーニさんからのあいさつ

旧交を温めるワークキャンプ参加者の皆さん

インドでの体験について、会話が弾みました

インドと日本の友情に乾杯!

カレーや手作り料理で楽しんだ懇親会

日印友好学園コスモニケタン 事業概要

事業地

 インド、カルナータカ州ビジャヤプーラ県ブルナプール村
 Burnapur Village, Vijayapura District, Karnataka State, India

学園設立の目的

 どんなに貧しくても、学習意欲があり、開拓精神旺盛な青少年たちが、確かな教育と実践経験を得て自立し、地域や社会に貢献できる人材として育っていけるように、そのような教育の場を目指して「日印友好学園コスモニケタン」を設立した。

設立の背景

 アジア協会アジア友の会(JAFS)は、1992 年からインド、カルナータカ州ビジャプール区の農村において飲料水供給事業(井戸、パイプラインの建設)を基軸として、教育、衛生、医療、農業、収入向上、環境保全などの自立開発事業を実施してきた。
 農村の貧困層の世帯は、農業に就労するか、都心部への出稼ぎ(道路工事やビル建設などの低賃金重労働)しか生活を行っていく道がない。これらのどの就労先も安定した雇用ではなく、収入が低く、貧困脱却の術にはならない。
 女性は学校のアクセスが近隣にないと、遠方まで学校へ行かせることは親が許可をしない。女性は生まれると家族の負担として扱われ、幼い頃から水くみの重労働に従事させられ、そして、早期結婚にて家族に貢献するように親から進められる。
 JAFSは自立開発事業実施を通して、農村の自助自立には教育が不可欠であるということを認識してきた。同校建設・設立まで、同村周辺には学校がなく、地元住民からの強い要請もあり、同地区の青少年を対象に1995年に同校の建設を開始し、1996年にハイスクールを開校、翌年、小中部門を開始した。

インド、カルナータカ州ビジャヤプーラ県のプロフィール

 インドのデカン高原の最北端に位置する辺境の地域。産業の80%は農業。

 降雨量が年間平均552.8mm(約37.3日/年しか雨が降らない、インド平均降雨量1,083mm)と非常に少ないために、農業の主体は乾燥地農業(ジャワール、小麦粉、ぶどう、とうもろこしなど)。地球温暖化の影響を受け、年々の降雨量が減少してきており、干ばつの発生率も高いことが、農業生産に大きなダメージを与えている。
 乾燥地のために農繁期を終えると、人々は、都市部(ムンバイ近郊やバンガロールなど)に出稼ぎに出て、収入を補わなければならない。

 大都市のムンバイからは南へ約600km、バンガロールからも北へ約500km の位置にあり、アクセスは車、バス、電車にて約10〜12時間を要する。交通アクセスの劣悪な場所である。

内 容 合 計 農 村 都心部
人口 1,806,918 1,410,829 396,089
6 歳以下の人口 286,831 229,204 57,627
低カースト層の人口 334,254 279,279 54,975
少数民族の人口 30,051 26,866 3,185
識字可能な人口 866,561 614,119 252,442
非識字層の人口 940,357 796,710 143,647
学校事業の概要

 1996年ハイスクール開校以降、JAFSでは、ビジャヤプーラ県唯一のNGO支援校として、学園全般(教員給与、学校インフラ、設備、教材など)を支援してきた。また、教育内容に応じて適宜必要な設備(寮建設、机、イス、体操着、ミシン、化学授業用のスマートクラス、など)を支援し、生徒たちが充実した環境の中で教育が受けられるように取り組んできた。
 また、2010 年度にはJAFS が初めて、外務省から平成21年度NGO連携無償資金協力支援事業として、資金供与を受け、職業訓練学校が建設され、貧困層の農村の自立のための総合学園として成長してきた。

 授業内容は以下の通り。

■プライマリーセクション(1年生〜7年生までの小中部門)
 生 徒 数:260 名(うち100 名が女生徒)
 必須科目:算数、国語、ヒンディー語、英語、理科、社会、体育

■ハイスクールセクション(8年生〜10年生までの高等部門)
 生 徒 数:171 名(うち100 名が女生徒)
 必須科目:数学、国語、ヒンディー語、英語、理科、社会、体育、工芸

■プリ・プライマリー英語学科セクション(必須教科を全て英語にて指導する)
 生 徒 数:20 名(うち9 名が女生徒)
 必須科目 英語による読み書き、ヒアリング、スピーキング

■職業訓練学校 Industrial Training Institute (ITI)
 生 徒 数:80 名
 必須科目:基本科目は、電気工、組立工に分かれ、それぞれ複数

 その他、コンピューター、ミシンなどは選択科目としてハイスクールセクションから指導されている。
 校内のスポーツフェスティバル、ビジャプール地区内の学校対抗の運動会、科学大会などに参加し、いずれもトップの成績を収めている。
 2016年から毎年、年一回日本から小中高生が「アジア国際夏期学校」として同校を訪れ、植林キャンプ、交流授業、文化交流などを通して、学校の生徒と交流を育み、双方の成長にとってかげがいのないものとなっている。

日印友好学園コスモニケタンの歩み

 1996年2月 ハイスクール校舎建設開始
 1996年6月 ハイスクール(高等部門)開校
 1997年6月 プライマリー(小中部門)開校
 1998年6月 給食室、図書室の完成
 2000年7月 寄宿舎完成(遠方からの生徒の受け入れを開始)
 2004年3月 農業研修センター完成・開所(2001-2003 年度 外務省事業補助金事業)
 2005年3月 小学校校舎増設
 2007年8月 日印友好ユースサミットを開催
 2007年10月 農業研修センター内、バイオコンポスト施設完成
 (2007年度郵政省国際ボランティア貯金資金助成)
 2011年6月 職業訓練学校完成及び開校(外務省 平成21 年度NGO 連携無償金支援事業)
 2016年4月 サマーコース(インドの夏期4 月〜5 月に行われる有償の補修塾)
 2016年6月 プライマリーセクション(英語学科)開校
 2017年12月 第5.5 回アジア・ユースサミット開催(コスモニケタン学園から2 名が参加)

BSVIA(Bharteeya Small and Village Industries Association)とは

 BSVIA とは、インド農村小規模産業育成会の意味であり、インドの思想家、マハトマガンジーやヴィノヴァバーベーに影響を受けた陶芸家H. G. クンバール氏によりり、ビジャヤプーラ県内の農村の開発を目的に1974年に設立されたNPO(非営利組織)である。JAFSとは1986年から提携関係を持ち、以降、開発支援事業を進めてきた。

対象地域の地図

地図
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