インドの村では、今も昔ながらの風習で、生理中の女性や出産したばかりの母親が、村から離れた小屋に閉じ込められることがあります。
この風習は、とても残酷で、女性たちの健康を脅かしています。出産したばかりの赤ちゃんも一緒に小屋に入れられてしまうことがあるらしい。
どうしてこんな風習が続いているかというと、村の人たちは「神様の怒りを買う」とか「悪いことが起こる」って信じているから。でも、実際には、小屋の中でケガをしたり、病気になったりする女性や赤ちゃんがたくさんいます。
この風習をなくそうと、たくさんの人が頑張っているんだけど、なかなか難しい…。私たちもこの問題を知って、考えてみましょう! そして、もっと多くの人に伝えていきましょう。
- なぜ、こんな風習が今も続いているんだろう?
- 女性たちを小屋に閉じ込めるのは、どうして悪いことだと思う?
- この問題を解決するために、私たちにできることは何だろう?
月経難民(menstrual exiles):インド・カルナータカ州のこの村では、生理中の女性は茅葺きの小屋に追いやられる(Deccan Heraldの掲載記事から転載)
インドの英字新聞 Deccan Herald(デカン・ヘラルド)に、2024 年 5 月 20 日付で掲載された記事:”Menstrual exile: During periods, women in this Karnataka village are made to stay in thatched huts” を、日本語訳して転載します。
(元記事はこちらです)
https://www.deccanherald.com/india/karnataka/menstrual-exile-during-periods-women-in-this-tumkur-village-are-made-to-stay-in-govt-funded-thatched-huts-3029617
Varsha Gowda 最終更新日: 2024年5月20日 13:22 IST
帝王切開手術から回復したばかりの19歳のラチタさんにとって、「クテーラ」の床は、座るのも辛い。しかし、しきたりに従わなければ、家族に大きな危険が及ぶと彼女は信じているので、自宅に戻るなどという考えは冒涜的だ。
トゥマクル:州都からほんの目と鼻の先にあるトゥマクル地区では、月経による追放という前時代的なしきたりが今も残っており、トゥマクル地区の女性たちの命、健康、幸福を何世代にもわたって脅かし続けている。
このしきたりは、トビナケレ村議会に属するわずか 50 世帯の村、ビサディハリで公然と行われている。出産したばかりの母親や月経中の女性は、屋外に追い出され、グドゥル (茅葺きの小屋) や 2 部屋のクリシュナナ クテーラ (州政府の資金で建設された施設)で過ごす。そこでは、生理中の女性は厳しい自然に無防備に晒されたままだ。
出産したばかりの母親は3か月間、生理中の女性は3日間、隔離された生活を送る。今回は場所が足りなかったため、村人たちは女性2人と新生児をグドゥルに滞在させるようにした。
帝王切開手術から回復したばかりの19歳のラチタさんにとって、「クテーラ」の床は、座るのも辛い。しかし、しきたりに従わなければ、家族に大きな危険が及ぶと彼女は信じているので、自宅に戻るなどという考えは冒涜的だ。「私たちのコミュニティで、しきたりに従わなかったために苦しんだ家族を見てきました。その結果に耐える覚悟はありません」と彼女は言う。
こうした信念は、長老たちの主張、社会からの圧力、盲目的な信仰、そして天罰への恐怖により、村の中で根強く残っている。トビナケレのプライマリーヘルスセンターの医療官であるディワカール医師によると、過去数年間に同地区のいくつかのゴララハッティ(カドゥ・ゴラのコミュニティの居住地)で、いくつかの啓発プログラムと「抜き打ち検査」が実施されたという。同医師は、この問題を知って、ビサディハリ村を訪れ、母親と新生児の両方が直面する可能性のあるリスクについて、村人たちに説明した。
昨年8月、グドゥル(茅葺の生理小屋)の中で、土砂降りの雨にさらされた新生児が死亡する事件が起き、月経難民(menstrual exiles)に注目が集まり、続いてカドゥ・ゴラのコミュニティも注目された。
地域の啓発活動家であるマンジャンマさんは、多くの人は、生理で小屋に居る間に、天候の影響も動物の襲来もないと信じていると説明する。「これは真実ではありません。サソリやヘビが小屋に入り込んできます。ここ数年、赤ちゃんが犬の脅威にさらされています」と彼女は言う。
長年にわたり、多くの活動家が村、家族、個人レベルで介入を行ってきた。しかし、着実で頻繁な取り組みと法的措置がなければ、コミュニティの女性を犠牲にする盲目的な信念が、今後も続いていくことは間違いない。
この慣習については、特に若い世代の女子の間で不安が広がっている。例えば、大学に通うヘマラタさんは、「私たちは本に触れることさえ許されていません。この慣習を終わらせたい」と語る。
(訳文:JAFS関東活動委員会 川崎)
この記事へのコメントはありません。